家庭教育支援協会
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「あなたにとっての幸せな家庭を考える」ことを目的に
 家庭教育の発展や振興に貢献します


どんなに社会が変わろうと国家観や産業構造といった外的要因が在ろうと、変わらないのは子どもの成長に教育が欠かせないこと。その教育の基盤にあるのが家庭教育だということです。哲学者John Deweyは『民主主義と教育(Democracy and Education)』[1]において、生活は、自己更新の過程であるという趣旨のことを述べています。無力な存在として生まれてくる人間は、ケアされることで生き延びます。家庭では様々な「習慣」を身に付けることを学びます。顔を洗うこと、歯を磨くこと、挨拶をすること。はじめはぎこちなく手にしていた歯ブラシを次第に使いこなせるようになっていきます。絶えず自己を更新していく存在が人間なのです。その第一段階の最も重要な役割を担うのが家庭教育といえるでしょう。社会を構成する個々人が潜在能力を開花させ、その個々人によって社会も更新されていきます。すなわち個人が成長することでしか社会の成長はないのです。そのためには、個人の責任に還元できない結果の不平等は是正されるべきでしょう[2]。そのための制度は整備の必要があります。個人が望めば選びうる選択肢の束は絶えず用意されてはじめて善き生の多様性が担保されるのです。潜在能力を開花させるのは、子どもだけではありません。子どもを育てる大人も、子どもの成長とともに個人の潜在能力が更新される在り方が求められます。家庭教育は人間教育であると言われる所以です。
誰のための家庭教育かと問われれば、子どもはもちろん大人にとっても成長の機会としての家庭教育なのだとこたえましょう。私たち家庭教育支援協会は、家庭教育を全人教育と位置づけ、会員の皆様と共に学び続けてまいります。家庭という小さな集団と社会という大きなコミュニティの往還によって、私たちは成長し続けることができるのです。
VUCA(Volatility・Uncertainty・Complexity・Ambiguity)の時代を迎え不確実な社会を生き抜くために、単に社会に適応するための家庭教育ではなく、自らが主体となって社会を作り変えていけるような人間形成に向けての家庭教育でありたいと考えます。
私たち家庭教育支援協会は、生活そのものから学び更新 (update)していく家庭教育を目指しています。

家庭教育支援協会理事長 二川早苗(筑波大学博士)




[1] John Dewey, Democracy and Education: an introduction to the philosophy of education, New York, Macmillan company, 1961, pp. 1-9. 『民主主義と教育(上)』松野安男訳、岩波文庫、2014、pp. 11-24

[2] 参考文献 Sen, A. K. Inequality Reexamined, Oxford University Press. 1992.『不平等の再検討:潜在能力と自由』,池本幸生・野上裕生・佐藤仁訳、岩波書店,1999